好きな子にいじわるするのって当たり前?

子育ての上でのジェンダー問題にもつながるおはなし。
保育士おとーちゃん 2025.01.29
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ご質問いただきました。

>「好きな子にいじわるする」というのはどこからくると思われますか?シーンとしては保育園や小学校で男の子が好きな女の子にちょっかいだして嫌われるという感じを想定しています(私が男児の親なので)。親が子どものNOを受け止めないとか応答性のない関わりとかと関係があるかなと考えたりもするのですが…。

好きな子にいじわるをするというケースは確かにありますね。

どこからくるか?は正直なところわかりません。

ただ、ご心配しているような応答性が不足していたからということは、個別のケースで付帯要因になることはあっても、直接それが引き起こすということはおそらくないと考えてよろしいのではと思います。

(当事者が子育てを一生懸命考えていると、「自分の○○に原因があったのでは・・・」という思考におちいりやすいです。しかし、この思考をグルグルさせてしまうと子育てがしんどくなる方にいくばかりなので、そう思ってしまうことが悪いわけではありませんが、そういう思考になる自分がいたらそこから戻ってくるようにするといいですよ)

みなさんもこうした「好きな子にいじわるする」といった言葉を耳にしたり、実際にそうした行為をみたり、もしかするとされたりといった経験がある人も少なくないことでしょう。

特に、「男の子が女の子に」という文脈でそういわれることが圧倒的に多いですね。

一般にも

・男の子がそういう関わりをするのはしかたがない

・そういうものだ

といった言葉として言われてきています。

また、映画やドラマ、アニメなどの表現物でもそうしたことが当然であるとか、ほほえましい行為であるといった文脈で表現されてきたものが少なくありません。

質問者の方も「男児の親なので」と述べているように、特に男の子を育てるときに直面する課題にもなっています。

人によっては、そういうものでしょと軽く流してしまうかもしれませんが、実はこのことは単に子供の問題に留まらないとても大きなものを含んでいます。

今回はちょっとそこを見ていきましょう。

◆「ほほえましい行為」ではない問題

こうした行為は実際にあります。

たしかに特に男の子に顕著に出るようです。

さて、ここでポイントなのが、確かに(個人の問題ではなく一般的に)「あることだからOK」と考えてしまうことの是非です。

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続きは、4944文字あります。
  • ◆実際の対応
  • ◆NOの大切さ
  • ◆いじわるの再生産のケース

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