叱らなくていい子育て 子育てがうまくいく大人の姿勢

叱らなくていい子育てを実践するために知っておきたいこと。
保育士おとーちゃん 2025.04.23
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間違った知識や認識が当たり前になっていたら怖いですよね。

まして、それが人を傷つけるものであったりするならばなおさらです。

現実にはそうしたことは少なくないものです。残念なことに子育てにはそうしたことがあります。

僕が育った時代は、怒る・叱るが当たり前で、むしろ「怒れない、叱れない親は大人としてだらしない。かえって子供がかわいそうだ」といったことが当たり前にいわれていましたし、それが社会通念となっていました。

いまでもこうした言葉がまったくなくなったわけではありませんが、社会通念ではなくなり、むしろそうせずに子育てする方がよいだろうという価値観に変化してきました。

かつての「甘やかすな」「なめられるな」「子供の鼻はへし折ってそだてろ」という社会のあり方から、子供を肯定し、受容的に関わり社会で大切に守りはぐくんでいくという社会になってきました。

そうした中で、多くの人が子供を叱らないで、怒らないで育てたいと思っていますがなかなかそうはいかなかったり、怒る叱るは我慢しているけど注意、制止、小言ばかりになって自身も疲弊してしまうという状況も少なくありません。

僕が「叱らなくていい子育て」と言っているのは、単に叱るのを我慢しましょうという話ではないですし、叱らないために子供をうまくのせて大人の思い通りに動かすためのライフハックやテクニックの話でもありません。

大人がどう対応するかの前に実はとても大きなものがあります。

それは「子育てはこういうものだよね」という大人自身が先に持っている考え方の枠組みです。

ここに存在するある種の誤解を解かないと、本質的には変わりません。

僕が「叱らない子育て」とは書かず、「叱らなくていい子育て」とことさら書いているのは、叱る叱らない以前に、子供を叱ることに行き着いてしまう子育ての枠組み自体を取り替えて、そもそも叱る必要がない本来の大人と子供の関係に戻したいと思うからです。

では、なにが叱ることに行き着いてしまう子育てなのかを見てみましょう。

◆子育ては「しつけ」じゃない

まず、子育てが「しつけ」だと考えて子供に関われば、とても素直で従順だったり、大人の顔色を読むことが上手だったりする子以外の子育てでは、叱る、怒る、注意、干渉に必然的に行き着いてしまいます。

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続きは、4269文字あります。
  • ◆支配でない子育て
  • ◆子供を低く見るスタンスを知る
  • ◆主体性ある存在としての子供

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