甘えと甘やかしの違い| 叱らなくていい子育て3
先日、道を歩いていたら、お散歩中のトイプードルが片足を上げて「足が痛くて歩けないよ」というメッセージを伝えて飼い主さんに抱っこしてもらっていました。
ペットで飼われている犬の中にはこうした甘え行動をみせることがあるようです。なんだか人間ぽいですよね。
実際にはそんなに痛いわけではないのに、そうやって弱さを発することでそれを受け止めてもらいます。いわゆる甘えです。
人間ももちろんします。
では、人間の子供はこれを経験することで一体何を得ているのでしょうか?
・人への信頼
・自己肯定感
・自尊感情
・優しさ
大きなものだけでもこれだけのことが得られることでしょう。
「強い自分ではなく、弱い自分ですら受け止めてもらえる」
ということにはとても大きな意味があります。
「弱い自分」とは、いわば素(す)の自分です。
素の自分自身を受け止めてらえない場合は、つまり頑張った自分や虚勢をはった自分にならねばなりません。
それは対人関係で考えれば、人が純粋に信頼できないということです。
なのでこうした経験を幼少期にすることにはとても大きな意味があるわけですね。
人は、「優しくなりなさい」と道徳的にすり込まれたら優しくなるわけではありません。
まず先に自分自身が優しくしてもらった経験を繰り返し受けることで、少しずつ他者に優しさを発揮できるようになります。
さて、そのように甘えを発してそれを受け止めてもらうことは、子育ての中でとても大切なことなのですが、それがうまくできなかったり、バランスのとりどころがわからないなどが起きがちです。
よくある子育て悩みのひとつが「~~は甘やかしにならないでしょうか?」です。
例えば、
「保育園では食事を自分で食べられています。また家でも機嫌のいいときは一人で食べられます。でも最近食べさせてと要求してくることが多くなってます。こんなとき食べさせてしまってもいいんでしょうか?」