NOは怖くない ー人格形成のために大切なことー
前回はイヤイヤ期についてみてきました。
今回はさらにそれを発展させてNOにまつわる子育てのおはなしです。
正確には子育てと人格形成についてです。
諸外国では対人関係を一種のスキルとみなして、ごく小さい頃から人との関わり方、そして自分のあり方を意識することを習得するようになってきています。
「アサーション」(assertion)などと呼ばれています。
これは単に他者との間にあつれきを起こさないことを目的としているわけではありません。
日本では対人関係を円滑にというはなしになると、自分が我慢したり、主張をしないことで他者を立て、その結果円滑にということがこれまで考えられがちでした。
しかし、ここで大事なのは、自分をないことにするのではなく、自分も尊重され同時に他者も尊重される関係を作ること、また社会もそうしたあり方を良しとするように発展していくことです。
その根底には人権尊重があります。
自分を大事にするためには、イヤなことをイヤといえることはとても大切です。
また、逆の立場では、他者からイヤと言われたときそれを受け止められることも同時にとても大切ですね。
はっきりと言ってしまえば、日本人はこれらがとてもヘタです。
というのも当然で、家庭における子育て・教育でも、学校における教育でも、ここを身につけさせてもらえないものになっています。
この対人関係におけるウィークポイントは、そのまま子育ての難しさにスライドしているといっても過言ではないでしょう。
・子供に対してNOが言えない問題
・子供のNOを受け止められない問題
がそのまま出ています。
その結果、大人がイヤだと思うことでも子供が要求しているからという理由で黙認してしまうといったことが起きがちです。
例えば、危険な行為の黙認、許容などです。
こうした状況が増えてくれば、子供に関わること自体が大きなストレスになるのは必然です。
本当は、子供のNOは怖くないし、また同時に、私がNOを言うことも怖くないのです。
このスタンスを持てれば子育てはぐっとラクに、そして安定したものにできるでしょう。
そのためにいくつか参考になるかもしれないことを以下に書いておきます。