虐待事件から見える日本の子供蔑視
プロ野球阿部慎之助監督による児童虐待事件が大きなニュースとなりました。
子育てしている人もそうでない人も、少なからぬモヤモヤを感じていることと思います。
児童虐待は珍しいものではありません。都市部の保育施設であれば1園に数人、被虐待児がいるのは普通の状態です。
児童虐待の特徴は、まずそれの起こっていることが見えにくく、さらには介入が難しく、しかも抜本的な対応が取りづらいことです。
これまでにも虐待による児童の死亡事件などが起こり、児童相談所が責められるということが何度も起こっています。
しかし、児童相談所がその持てる権限の中で最大限のことをしていたとしても起こってしまいます。
なぜなら、介入の度合いを決めているのは実のところ社会通念、民意だからです。
◆子供を守らない日本社会
どういうことかといいますと、こうした虐待問題の対応で障壁になることのひとつが、「強すぎる親権」があります。
明らかに危険度の高い暴力的な加害を親がしていても、日本では親の持つ親権が強すぎて抜本的な対策(保護のために引き離すなど)が簡単には取れませんでした。
一時的にはできたとしても、結局虐待親のところに返さねばなりません。
警察による逮捕などが行われるようになったのもごく最近のことです。
諸外国では、子供の人権が最優先され、加害のリスクがある場合はただちに行政などに親権を移管し虐待親が子供に関わるのを防ぐことができます。
そうしたところを決めているのは法律ではなく、むしろ民意なのです。
社会の人が、子供を虐待することは決してあってはならない、虐待は社会からなくすべきだと考えるようになれば、裁判所はそうした現実に照らし合わせた対応をとるようになります。