第1回 あなただけが頑張らなくていい
(※設定にミスがあり再度配信しております。内容は今朝7時にお送りしたものと同様です。あしからずご了承ください)
子育ての相談はこれまで数千名以上の方のお話をきいてきました。
よく「子育てに正解はない」といわれます。
たしかにその通りです。世の中には「これこれこうするべきだ」とか「○○しないと子供が良く育たない」などといった、子育てする人を不安にする正解を押しつけてくる情報も少なからずあるからです。(例えば、母乳で育てなければならないとか、布オムツで育てなければならないなど)
現代の子育ては多くの人が孤立した状況からスタートするので、不安にとらわれやすいです。なので、そうした情報にはまどわされないようにしたいです。
僕はたくさんの人の子育てを見聞きしてきて、子育てを難しくしてしまいやすいポイントや逆に子育てを安定しやすい関わり方をある程度理解しているつもりです。
そこで子育てする人がムリなく子育てをおくれて、できるならば子育てを人生の自己実現のひとつとできるような子育てのしかたをお伝えしたいと考えています。
さて、今回は多くの人がおちいりやすいところから見ていきましょう。
◆子育ての三本の柱
子育ての悩みのひとつにつぎのものがあります。
「私がちゃんと子供を育てなければ! でもどうすればいいのか自信を持てない・・・」といった思いから不安が増大するケースです。
すると、私が頑張らなければ我が子が健全に育たないような気持ちになって悩みや不安ばかりつのります。そこからイライラがふえたり、落胆や疲弊におちいったり。
人は不安が増すと視野が狭くなってしまうもののようです。
この場合は「私が」や「ちゃんと」の部分にとらわれてしまいます。今回はここを少しラクにしていきましょう。
子育ては「私だけ」が頑張らなくていいのです。
確かに大人がどう関わるかも大切なことのひとつですが、実は子供が成長するのには大人の直接的な関わり以外にも大きな味方がふたつあります。
それは、時間と環境です。
極端な話ですが、子供は大人がなにもしなくても成長していきます。
それは時間的成長がとても大きいからです。
例えば、3歳の子にはとても難しいことでも、5歳の子は簡単にやってのけますね。1歳の子と5歳の子でくらべたらそれはなおさらですね。
こうやって言葉にすれば誰しもがそれはそうだと思うことでしょう。けれど、これが子育てまっただ中、さらには不安にとらわれてしまっている当事者にはそんなふうに余裕を持って見ることができなくなってしまいます。
時間はとても大きな子育ての味方です。だから「私だけ」が頑張らなくていいのです。
もうひとつの味方は環境です。
子供は環境から影響を受けて経験を積むので、これは「経験」と言い換えることもできますね。
例えば、家でご飯をちょっとしか食べず心配になってしまう子も、「(保育園や幼稚園で)普通にパクパクと食べているのを見て驚きました」という人は多いです。(保育参観をしたら必ずこういう人が複数いるくらいです)
これはつまり、園という物的環境、そこにいる同世代の子供や、家庭とは違う大人といった人的環境が子供の成長を作り出しているということですね。
環境(経験)は大きな子育ての味方です。だから「私だけ」が頑張らなくていいのです。
最後の最後に大人の関わりという成長の要素があります。
しかし、それだって「私だけ」ではないですよね。
他の家族や身近な人などのちょっとずつの関わりの蓄積があって成長していきます。なので「私だけ」が頑張らなくていいのです。
子育てが孤立、不安の多い状況になると、しばしば「私ができるようにしなければ!」という方向にいってしまいがちです。
すると、どんどん子育てのハードルがあがっていきます。そうしてそれはかえって子育ての不安を大きくします。
子供の成長にはざっくり考えて三本の柱(要素)があります。
●時間
●環境(経験)
●大人の関わり
どれも同じくらいのウエイトを持っています。
なので、「私だけ」が頑張らなくていいのです。
◆過剰な過干渉の問題
上ではちょっとおおまかな話をしましたが、ここからはもうすこし実際上のことをみてみましょう。
「私が頑張らなければ!」になって、子供への関わりが一生懸命になってしまうことから、かえって子供との対応や、姿が難しくなってしまう現実があります。
例えば、子供に求めるものがどんどんと先取りになっていくことです。
ちょっと立ち止まって考えればなにも難しい話ではありませんが、先取りになれば当然ながらハードルはあがりますよね。
そもそも難しいことを望むのですから、思わしい結果になるのも簡単ではありません。すると、大人は落胆やイライラがつのります。
子供からすると、それは肯定や受容ではありませんよね。
これが積み重なると負のスパイラルになります。
すると子供は肯定を求めて、ネガティブな行動を増やしたり、イライラを大人にぶつけるといった行動が増えることがあります。
また、「私がなんとかしなければ!」からの子育ては、必然的に過干渉になります。楽しい過干渉や許容的な過干渉ならばまだしも、否定や要求の過干渉の多いことは子供にとっても心地よいものではないでしょう。
言葉としては変ですが、「過剰な過干渉」とでも呼べるものになりかねません。
これも子育てや子供の行動の大変さを引き起こすことになります。
人はどうしても子育ての不安からそうした気持ちになったり、行動になったりしてしまいます。なのでそうなってしまう自分を責める必要はありません。
でも、そんなとき、
「自分が頑張らなくても、時間と環境という強い味方がこの子を成長させてくれるから、わたしはあわてなくていいんだ」
といった感じに、スローダウンできるといいかと思います。
次回は、今回の内容をもう少し具体的にみていく
「第2回 子供の力はためてから使う」をお届けします。
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