子育てでしない方がよいこと
しない方がよいとわかっていることすら、我が子に対しては無意識にしてしまうこともあります。
「子育てに正解はない」とはよく言われます。
たしかにそうです。
子供も子育てする大人もひとりひとりが違うので、ある人によい方法が他の人にもよい方法とはならないところが子育ての難しいところです。
ではまったく正解がないかというとそうでもありません。
「これこれが正しい」(積極的正解)というたぐいのことはなかなかいいきれませんが、「これこれはしない方がよい」(消極的正解)ということはわりと明確に言えます。
17世紀の貴族にして政治家でもある文学者にフランソワ・ド・ラ・ロシュフコーという人がいます。
この人は実際にドラマチックな人生を過ごした人ですが、そうした経験と洞察から多くの箴言(しんげん:教訓の意をもつ短い句。戒めとなる言葉)を残したことで有名です。
そのひとつに、「美徳とは悪徳をしないことである」という言葉があります。
これは「そりゃそうでしょ」とうっかり読み流してしまいそうですが、なかなか含蓄のある言葉です。
というのも、人は往々にして積極的正解を求めそれに振り回されてしまうものですが、それよりも地に足のついたような地味で堅実な「それはよくないよね」を着実に避けることが安定した成果を作り出すことも少なくないからです。
子育てこそまさにそれが有効な世界です。
人はついつい、我が子のために良いことを探してあれもこれもとなってしまいがちです。
しかし、そうしたなんらかの「良いもの」も、安定した地歩があればこそのものです。
子育ての安定は、「良いもの」を積み重ねることよりも、「してはいけないこと」をしないことの方が実はより重要です。
その取り組みはとても地味ですが。
さて、ではしてはよくないのに人がやりがちなことを少しあげてみましょう。
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- ◆しない方がよいこと
- a,自尊心を傷つけること
- b,自分のコピーにすること
- c,子供を自分自身の自己実現の手段にすること
- d,弱くすること
- e,選択肢を狭めること
- f,他者の目を気にさせること
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